2013年6月16日日曜日

EastWest Hollywood Strings マイクによる音色比較

Hollywood Strings Diamond Edition 買いました。




細かい詳細は、グーグル先生に聞いていただくとして、今回は、Gold Edition との違いである、マイクによる音色の違いを聞き比べてみたいと思います。
まずはこの画像をご覧ください。

とりあえず、このようなデータを作ってみました。
Legatoのパッチを使っていますが、画像を大きくしてみるとおもしろいことがわかります。

上の段は普通にノートです。ベロシティは、小さくするとスラーやポルタメントのスピードが遅くなります。どうやらスピードは、いくつかのレイヤーに分かれているように聞こえます。
重要なポイントは、ボウイングの最初の音はジャストタイミングで、その他の音は前に少しずらしています。なぜそうするかというと、物理的に、レガートの演奏とはそういうものだと思うからです。なめらかに次の音にたどり着かせるわけですから、こうなってしまうんではないでしょうか。ためしにすべてジャストタイミングで打ち込むと、音が遅れてずれて聞こえます。
そして、もう一つ、次のボウイングの前の音は最後を少し切る。切り過ぎると、言葉通り音が途切れすぎます。近すぎるとレガートとみなされ、次のボウイングの音が、前のノートからつながってしまいます。(結果、レガート効果によるずれも生じます)
レガートパッチは、ノートが重なると、あとの音が優先して鳴らされるようです。ノート同士が近い、または重なっているところで、後ろの音にレガート効果が生じるようです。

真ん中の段は、これは、CubaseのVSTエクスプレッションという機能でアーティキュレーションを設定しているところです。今回はレガートしか使用していないので、すべての音にレガートが設定されています。この機能を使うと、音源側でチャンネル別に違う音色をマルチパートで割り当てておいて、このCubaseの機能で、一つのトラックで、複数の音色を操作することができます。

下の段はコントロールナンバー11のコントロールチェンジです。つまりエクスプレッションで、ボリューム操作です。Hollywood Stringsのレガートパッチは、ベロシティはレガートのスピード変更に用いられるので、打ち込みによるボリューム操作は、エクスプレッションを用いることになります。今回は実験なので、適当に気分で操作しました。

そして音源の設定はこんな感じです。


1st Violin legato slur + port sm Ni というパッチを立ち上げ、全マイクをONにし、比較のため、CLOSEマイクのPANをそのほかと同様、センターに変更しました。それと、FingerPositionを4にセットしています。これは、個人的な設定なので、ここでの説明は省きます。
メモリ使用量が7G近くになっていますが、これは、個人的テンプレートのせいで、レガート以外のアーティキュレーションも同時に読み込ませている+今回の実験のため、全マイク」を読み込ませていることに起因します。

まずは、Diamondのノーマル設定のメインマイクをリバーブなしで聞いてみましょう。
ちなみに、鮮明に聞き比べるため、すべてCD音質のwaveにしてあります。
(あとで気づいたのですが、それぞれ、ボウイングのラウンドロビンをリセットするの忘れていました。ダウンから始まったりアップから始まったりしていますがご了承ください)
(さらにあとから気づいたのですが、レガートにはラウンドロビンがなかったのでアップダウンが関係なかった)
MAIN ReverbOff http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_main.wav

次はGoldに収録されているミッドマイクを聞いてみましょう。(GoldはMIDしか選べません)
MID ReverbOff http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_mid.wav

そして、Goldを買った人が一番気になるであろう、CLOSEの音色が↓こちら↓です。
CLOSE ReverbOff http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_close.wav

最後にサラウンドマイクとビンテージマイクです。
SRND ReverbOff http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_srnd.wav
VINT ReverbOff http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_vint.wav

どうでしょう?
すべて主観ですが、
クローズは音色がはっきりしていますね。
メインはクローズに少し反響音が入った感じ。
そしてミッドはそれがやわらかくなってボリュームが下がった感じ。(なぜボリュームが下がっているのかはよくわかりません。設定はさわってないのですが・・・。そういう効果なのかもしれません)
サラウンドはさらに音が広がった感じに聞こえます。
ビンテージマイクは、日本語ではルームマイクと公式ページに書かれています。ビンテージはミッドと似た感じですね。

そしてそれぞれに付属のリバーブを、そのままONにしたのがこれらです。
MAIN ReverbOn http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_main_r.wav
MID ReverbOn http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_mid_r.wav
CLOSE ReverbOn http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_close_r.wav
SRND ReverbOn http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_srnd_r.wav
VINT ReverbOn http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_vint_r.wav
リバーブを加えることでとてもリアリティになりますね。
ブラスを買うときはGoldでいいやなんて思ってましたが、こうやって聞くと、Diamondの方が、状況に応じた音色を選びやすい(作りやすい)かもですね。結構重要な気がします。


オマケですが、私は、この音源のリバーブはOFFにして、Cubase側で「REVerence」というリバーブを使用しています。そちらを使ったミッド音がこちらです。
MID Reverb(REVerence)On http://major7th.jp/wave/qlhs/01/leg_mid_cr.wav

この辺は好みの問題ですね。
ただ、1音色ずつリバーブをかけるより、ブラスも含め、一つのリバーブにSENDしてやるほうが音色的にも処理的にもよい気はします。Playエンジンがそういう仕組みで作られているのなら、問題ありませんが。

とりあえず、今回はこんなところです。
Gold と Diamond で購入を迷っている方が、少しでも参考になれば光栄です。
なんていいながら、自分はブラスを買うときはGoldでいいと思いつつ、Diamondをほしがっている、つまり悩んでいる人です。

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